No.02011
作成日:平成14年12月10日
作成者:Office Kosaka 税理士 高阪薫
【目次】
1. 扶養控除とは
2. 扶養控除が受けられる要件
3. 扶養控除の金額
4. 扶養控除の見直し
納税者本人に扶養親族がいる場合に、一定の金額が所得から控除されます。これを扶養控除といいます。
扶養控除が受けられる扶養親族とは、その年の12月31日現在において下記の4つの要件の全てに当てはまる人をいいます。
(1) 配偶者以外の親族などであること。ここでいう親族とは6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。
(2) 納税者と生計を一にしていること。ここでいう納税者と生計を一にする親族には、都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子,年齢18歳未満)や市町村長から養護を委託された老人(年齢65歳以上)も含みます。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
(4) 青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていないこと及び白色申告者の事業専従者でないこと。
控除できる金額は、扶養親族の年齢や特別障害者に該当するかにより下図のようになります。
同居特別障害者である人 特定扶養親族
98万円同居老親等
93万円同居老親等以外の人
83万円一般の扶養親族
73万円上記以外の人 特定扶養親族
63万円同居老親等
58万円同居老親等以外の人
48万円一般の扶養親族
38万円年齢 16歳未満
23歳〜69歳16歳〜22歳 70歳以上
※注
(1) 同居特別障害者とは、特別障害者である扶養親族で、納税者、納税者の配偶者又は納税者と生計を一にしているその他の親族と常に同居している人をいいます。
(2) 特定扶養親族とは、扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が満16歳から満22歳までの人をいいます。
(3) 老人扶養親族とは、扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が満70歳以上の人をいいます。
(4) 同居老親等とは、老人扶養親族のうち、納税者又はその配偶者の直系の尊属で、納税者又はその配偶者と常に一緒に暮らしている人をいいます。
なお、扶養親族が障害者の場合は27万円、特別障害者の場合には40万円の 障害者控除が、扶養控除とは別に受けられます。
2003年度税制改正で検討されている所得控除の廃止の1つに特定扶養控除の廃止があります。すなわち、上図の年齢:16歳〜22歳の者に対する特定扶養親族の部分(緑色)を廃止するということです。すなわち、特定扶養親族なる定義はなくなり、70歳未満の人はすべて一般の扶養親族の対象となります。
従来、同居特別障害者であった特定扶養親族の控除額は98万円であったものが、
廃止されると、一般の扶養親族の控除額73万円と、25万円の減額となります。
従来、同居特別障害者以外の特定扶養親族の控除額は63万円であったものが、
廃止されると、一般の扶養親族の控除額38万円と、25万円の減額となります。
これが廃止されると、今高校や大学に通う子供を持つ親にとってその負担は大きく、家計には相当な打撃となるでしょう。
そもそもこの特定扶養控除が創設された趣旨は何だったのでしょうか?
すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を持っています(憲法第25条第1項)。控除の金額は当然に議論されるべき問題ですが、これからの日本文化の継承者である彼らに間接的に影響を与える問題であるといえましょう。